2016年後期に新幹線で読んだ積ん読

去年の後期から縁あって京都で非常勤講師のお仕事をさせていただいております。
毎週東京と京都を行ったり来たりしているのですが、新幹線での時間が勿体無かったので、今まで忙しくてあんまり読めていなかった積ん読達を消化すべくせっせと読書に勤しみました。

後期の授業が終わって一段落したので、せっかくなので読んだ本を纏めてみました。


配色の設計

配色の設計 ―色の知覚と相互作用 Interaction of Color 単行本(ソフトカバー)
ジョセフ・アルバース(Josef Albers) (著), 永原康史(監訳) (その他), & 1 その他

いつか英語の原書で読んでみたくてずっと欲しいものリストに入っていたんだけど、ふと見たら新しく翻訳版が出ていたので買ってしまいました。
バウハウスの先生の著書だけあって、教育方面の示唆に富んでおり、講師を始めるこのタイミングで読めたのはとても良かったです。非常に勉強になりました。

いい絵やいいカラーリングは、おいしい料理にたとえることができる。いかにレシピに従ってつくっても、調理中に緣り返し味見することが必要である。そして最高の昧見は、依然として「肥えた舌」次第なのだ。


ハリー・オーガスト、15回目の人生

ハリー・オーガスト、15回目の人生 (角川文庫) Kindle版
クレア・ノース (著), 雨海 弘美 (翻訳)

@toyoshi さんに以前、紙の動物園 をオススメしたら、お返しにこちらを教えていただいたので読んでみました。
最初からループものである事がわかってたらどうな感じなんだろうという、そんな心配もよそにとても面白くてサクサク読み進める事ができました。
よく見かけるタイムリープものとはまた違った切り口で時間の概念が描かれていて、ループもの大好きマンとしては色々語りたい事があるんだけどここに長々書くと本題から外れてしまいそうなのでやめときます。


会いたかった画家

会いたかった画家 単行本
安野 光雅 (著)

実家の本棚には安野光雅の旅の絵本がずっと置かれていて(多分母が好きだったのかと思われる)それを眺めて育ったんですが、結局この年になるまで絵しか知らずにどんな人かもわからないままだったところ、ふと本屋でエッセイを見かけて気になったので購入しました。
言葉の端々に謙虚さや自信、知識や穏やかな人柄が感じ取れるような、絵を見ていて感じていた印象がうなづけるような素敵な人でした。良かった。
個人的な妄想なんですが、音楽は「え?この人がこんな繊細な曲を!?」みたいな事が多い気がしているのですが、絵画はキャラクターに合った作品の方が多いような気がしています。
短く淡々とした、洒脱な語り口がなんとなく彫刻家の外尾さんの石掘り修行にも似ている気がしました。
三章のルソーの話がとても良かった。

絵は陸上競技のように、ー列に並んで優劣を競っているのではない。人それぞれに走るコースが違っていると思ったほうがいい。


バイオアート―バイオテクノロジーは未来を救うのか。

バイオアート―バイオテクノロジーは未来を救うのか。 単行本
ウィリアム・マイヤー (著), 久保田 晃弘 (監修), 長谷川 愛 (その他), & 2 その他

本屋で見かけて面白そうだったので購入。
単語の羅列というか作家や作品の紹介の連続なのでだんだん疲れてきて… 途中でスヤァ…となってそのまま挫折してしまいました…


ゼロから作るDeep Learning ― Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装

ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装 単行本(ソフトカバー)
斎藤 康毅 (著)

@itog さんが呟いているのを見かけて気になっていたので購入。

Amazonのリンクを貼ってるけどO’Reilly JapanのEbook Storeから電子書籍で買いました。

初めて掲示板CGIを触った時のような新鮮なワクワク感があります。
電車で一回読んで、途中から難しくなってきたのでちょっと引き返してパソコン開いてコード書きながらもう一回読んで、みたいなのを繰り返しながら読んでおりまして、まだ途中までしか読めてないですがとても面白いです。


英国人デザイナーが教えるアルファベットのひみつ

英国人デザイナーが教えるアルファベットのひみつ 単行本
アンドリュー・ポセケリ (著), 村上 玲 (翻訳), 横山 文子 (翻訳)

ふらっと入った近所の本屋さんで見つけて購入。
英国人のデザイナーがアルファベットの1文字1文字から想起されるイメージを様々な事例を交えて紹介してくれます。

デザインはパッと見で見た人に与える印象はとても大事なので、書体とか色とか以外にも文字そのものが持つイメージやそれに関連づけられている概念を理解できていたら非常に役に立ちそうで、興味深く読むことができました。
デザイナーの知識や感性の補充としても、単純な読み物としても、非常に面白かったです。

筆者のアンドリュー・ポセケリさんは2006年から日本に移住されているらしく日本の歴史や文化などの造詣も深いです。
アルファベットからから連想されるイメージとして出てくる引き出しはシェイクスピアからコミックLOまで、、え、LO?英国人デザイナーが、、、え??ってなるくらい幅広いです。

文字を羅列して作った意味をなさない単語を見たとき、人はある種の単語(文字の羅列)をほかよりも面白いと感じることがわかった。


ウール 上下

ウール 上<ウール> (角川文庫) Kindle版
ヒュー・ハウイー (著), 雨海 弘美 (著)

こちらもSF小説。なんとなく気になって欲しいものリストに入れていたものの、忙しくて読めてなかったのでこれを機に読んでみました。

物語の運び方や設定や世界観などが上手く練られていて上巻はテンポよく進んで面白いのですが、登場するキャラクターがみんな恋愛脳というか危機的状況なのにパートナーの事ばっかり考えていて、僕は今ひとつ世界観に入り込む事ができなかったです… 完全に好みの問題だと思います…😷


デザインスプリント ― プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド

デザインスプリント ―プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド 単行本(ソフトカバー)
Richard Banfield (著), C. Todd Lombardo (著), Trace Wax (著), & 3 その他

去年すごく話題になっていたデザインスプリントに関する書籍で、こちらも気になっていたので読んでみました。

一時期Thoughtbotさんのリポジトリを覗くのが趣味だったのですが、Bootstrap的な、サイトを最速で作るのに役に立ちそうなリポジトリがたくさんあって不思議に思っていたんだけど、デザインスプリントをたくさんやってたから必要で作っていたのですね…納得です。

デザインスプリントの結果、プロダクトを何も作らないという結論に至ることもあります。


それをお金で買いますか 市場主義の限界

それをお金で買いますか 市場主義の限界 Kindle版
マイケル・サンデル (著), 鬼澤 忍 (著, 翻訳)

白熱教室のマイケル・サンデルさんの著書。
売春や転売などの話から、環境汚染や希少動物の狩りの権利の売買、顔への刺青広告や自分の子供の名前などのネーミングライツなどの極端な取引まで、様々な事例を交えながらお金で買えるものとそれによって変わる価値観などについて書かれています。

経済学的に問題の無い行為として取引が開始されたものでも、一度お金の物差しで量るようになると受取る側の価値観の方が元には戻らなくなって、モラルや習慣などの涵養が難しくなるというような事が書かれていて、なるほどと思いました。

普段なんとなく直感的に感じたり考えたりしていた価値観や行動規範が実はこういった論理の流れによって生じていたのかな?というような事が綺麗に言語化されていて多くの発見がありました。

利他心、寛容、連帯、市民精神は、使うと減るようなものではない。鍛えることによって発達し、強靱になる筋肉のようなものなのだ。


驚きの皮膚

驚きの皮膚 Kindle版
傳田光洋 (著)

脳科学や認知心理学の本が好きなので隙を見つけてはちょこちょこ読んでいるんだけど、皮膚は第三の脳らしいのでこれは読んでみないとと思って購入しました。

温度や圧力を感知するセンサーとしての「皮膚」、脳や神経と同由来の外胚葉から作られてる「皮膚」、体と環境の境界としての「皮膚」、などなど色々な観点から皮膚のさまざまな興味深い事が書かれています。

自分でも体感として皮膚感覚はただのセンサー以上に重要な要素だと思っていたので、非常にワクワクしながら読んでいます。途中で授業が終わってしまったのでまだ読んでいる途中。


途中から積ん読が片付いてないのに新しい本を購入しだしたりしていたので、ただの「新幹線で読んだ本」になってます…